
こんにちは、院長です。
先月の韓国旅行では、
ただ韓国料理を食べているだけではもったいないと
韓医学にも触れて参りました。

こちらは大邱にある薬令市場博物館。
ゲストハウスがすぐ近くだったのです。
300年以上前からこのあたりは薬令市場で、
今も朝鮮人参など生薬の材料を売る店が並んでいます。
生薬を使った石鹸づくりもしました。楽しかった。
リップクリーム作りや足湯体験もできるのですが、今回は時間が足りず。次回に期待。


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ありし日を伝える人形もなかなかリアルです。

韓国で独自に発展した韓医学を代表するのが
許浚(ホジュン)と李済馬(イジェマ)です。
許浚(ホジュン)は
1610年に朝鮮一の医学書「東医宝鑑」を完成させた医師で、
ドラマでご存じの方も多いのでは。
現在でもこの本は韓方医学のバイブルとされており、
2009年に世界記録遺産としても登録されています。

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余談ですが、この博物館では、ホジュン先生に脈診される写真が取れます。
顔出しパネル愛好家として、とてもうれしい一枚。
李済馬(イジェマ)は
武官だった人ですが、
官職を辞して保元房という韓医院を開設した人です。
韓医院を行いながら「東医寿世保元」を執筆。
四象体質の集大成として書かれました。
中国や、中医をベースにした日本の鍼灸は
ざっくり3つに分けるので、
韓医は四象という見方で構成されているという点からして興味深かったです。
現在でも韓医師が現場で活用しているそうです。
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「東医寿世保元」の内容がおもしろかったので少し抜粋。
李濟馬(イジェマ)は
喜怒哀楽の感情の変化が臓器に影響を及ぼし、
感情の偏りが病を重くさせると考えました。
肝、脾、肺、腎の臓器の大小により人間を4つのタイプに分け、
それぞれ太陽人、太陰人、少陽人、少陰人と名付け、
体質ごとの薬の種類や養生の仕方、体質に合う食べ物、合わない食べ物などが記されています。
太陽人
特徴:肺大肝小、肝臓が弱い
合う食べ物:貝、葡萄、ナマコ、きゅうり
合わない食べ物:牛肉、砂糖、大根
太陰人
特徴:肝大肺小、肺が弱い
合う食べ物:牛肉、銀杏、サツマイモ、松の実
合わない食べ物:鶏卵、鶏肉
少陽人
特徴:脾大腎小、腎臓が弱い
合う食べ物:豚肉、麦、ナマコ、きゅうり
合わない食べ物:鶏肉、牛肉、牛乳
少陰人
特徴:腎大脾小、脾臓が弱い
合う食べ物:粳米、羊、鶏、じゃがいも
合わない食べ物:蕎麦、白菜、乳肉、牛乳
例えば少陽人の体質の方の場合、
怒りの感情が激しいと脾胃の機能が過剰になるので気を付けるとか、
腎臓が弱いので骨や腰、腎臓をいたわるなど、
自分の体質に合わせた養生ができます。
僕は診断の結果これに該当。
博物館ではタッチパネルでセルフ診断ができて、
オススメの食材なども教えてくれます。
四象体質の特性として
それぞれの体形、顔の特徴、性格、話し方、なりやすい病気、
合う食べ物、合わない食べ物など
細かく分類された資料もありました。

少陽人は脾が大きく、腎が小さい。
少陰人は腎が大きく、脾が小さい。
少陽人は活発な性格、目的がみえたら情熱的に励む。
少陰人は分析をよくする現実的な性格、仕事の順序と真実さを重要視する など。
(ちなみに、私は少陽人でした。)

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「薬食同源」の考え方
そして韓国には、中国の「漢方」とは少し違う
韓国独自の「韓方(かんぽう)」という伝統医学があり、
それにもとづいた「薬膳料理」も食べられています。
韓国にも「薬食同源」の考え方があって
栄養のバランスが取れた、体によい食事を「薬」にたとえ、
病気にならないようにしようという考えです。
日本でも「医食同源」といいますね。
食べ物は5つの味と色をそろえるべし、という
「五味・五色」の考え方も尊重されています。
5つの味は酸味、苦味、甘味、辛味、塩辛い味
5つの色は青、赤、黄、白、黒です。

僕の大好きな「サムゲタン」という、
とり肉と、高麗人参、もち米、くるみ、松の実、にんにくなどをいっしょに煮込んだ料理が代表的ですね。
大邱で食べましたが感動的でした!!
食べた直後から体が温まる様な。 ありがたい韓国フード。
でも、1番こころ温かく気楽に食べられたのが韓国の優しいお母さんが営む街の食堂だった気がします。
こちら久々のビュッフェ形式で900円ぐらい

近所の方々が次々と来店される人気店でありました。
大当たり。ゲストハウスで教えてもらってよかったです。
韓国語アプリで会話しましたが、店名の「青ママ」とは、静かな安らぎのお店という意味だそうです。
韓国らしいカラフルなおかずの数々、、。
五味五色ばっちり。毎日食べたら医者知らずだろうな。
おまけ。プサンのポッサム(ゆで豚)。
お肉も野菜もたくさん取れて大好きです。
こちらもきれいな五味五色。
日本で手に入る食材で五味五色を意識した食事をとるところから
韓医学を取り入れてみたいです。
